城東句会報
空青く 緑の映えて 白樺 服部 俊三
初蝉の 鳴く声目指し 児ら走る
 
初蝉や 三度道問ひ 来し古刹 渋谷 良子
新緑に 抱かれ小さき 山ホテル
 
初蝉と 気付く時はや 鳴きやみ 山本三代子
新緑に そまりゆく園 一歩ずつ
   
夏めくや 木々渡り来る 風の色 金森わか子
新緑を とどめおきたし 林泉めぐり
 
新緑の 中に二の丸 三の丸 橋本 明子
夏めきて ツインタワーの 影長く
 
初蝉に 思ひを紡ぐ 夕木立 長谷川光正
新緑や ペパーミントな 風抜ける
 
新緑を 天蓋にして 石の室 角野ひろ子
新緑や 御堂ほのかに 技芸天
 
片言の 砂場の会話 夏めきぬ 岡田 三枝
初蝉や 耳遠き夫 聞こえぬと
 
初蝉の 去年はと日記 返し見る 川口 信子
夏めいて 野菜の育ち 日に新た
一陣の 風の吹くまま  紅葉散る 服部 俊三
白い雲 見上げる梢  紅葉散る
 
一庵の  散るにまかせてある紅葉 渋谷 良子
乳の香の 嬰を抱きあげ 祖母小春
 
園晴れて 残る紅葉の 色惜しむ 山本三代子
作務僧の 掃く音残る 紅葉かな
 
岩を噛む 瀬音に紅葉 散りやまず 金森わか子
大根の 含め煮祖母の 味となり
 
父母が いてのふるさと 散紅葉 橋本 明子
遠来の 友とめぐりし 城小春
 
暮れなずむ 里のお堂に 散る紅葉 長谷川光正
紅葉散る 里にほほ笑む  地蔵尊
 
梵鐘の 響き山門  冬紅葉 角野ひろ子
山を背に 懸大根の 峡の里
 
仰ぎ見る 山のふもとに 紅葉散る 山田 鉦二
大根の 太さ白さに 眼をみはる

故 澤田天瑞さんを偲んで

8月 俳句例会あんない

第280回城東句会報

と き  平成21年 8月 5日(水)
              午後2時〜

ところ  ル ブ ラ 王 山


兼 題  星月夜  残暑  カンナ  他嘱目

鐘の音の 響き宿坊 明易し 服部 俊三
音もなく きらめき落ちる 竹落葉
 
尼寺の しずけさに降る 竹落葉 渋谷 良子
悔ひとつ 心に詫びて 明易し
 
後退り すること知らず 水馬 山本三代子
恃むこと あれこれありて 明易し
   
竹落葉  軽きに風の 乗り易き 金森わか子

明易や 目覚めに鳥の 声を待つ

 
気兼なく 紙面を拡げ 明易し 橋本 明子
連綿と 命をつなぐ 竹落葉
 
短夜や 琥珀のグラす しみじみと 長谷川光正
池の端の 木漏れ日に舞ふ 水すまし
 
あめんぼう 跳べと水面の 平らなり 角野ひろ子
竹落葉 俄の風に 散り急ぐ
 
うしろより 人の気配や 竹落葉 岡田 三枝
これよりは 女人禁制  竹落葉
 
覗き見る 子等に舞々 輪を描き 川口 信子
短夜や 枕の濡の 残るまま

と き   平成21年 6月 3日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   竹落葉  水馬(みずすまし) 短夜  他嘱目

と き   平成21年 4月 1日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   花まつり  春眠  蝌蚪

第278回城東句会報

裂帛の 声の撃ち合ふ 寒稽古 服部 俊三
葉牡丹や 山門までの 道しるべ
 
かじかみし 心の晴れて ゆく一語 渋谷 良子
蝋梅の 咲き初め庵主 饒舌に
 
端の子は 泣きそうな顔 寒稽古 山本三代子
父母の 在さば 訪ひたきものを寒見舞
   
湯豆腐と 聞けばなつかし 南禅寺 金森わか子
笹子鳴く 小枝ふるわせ 渡るらし
葉牡丹の 彩極まりて 庭和む
零度切る 朝の出掛けの 悴みし
 
城晴れて 葉牡丹の紅 つややかに 橋本 明子
寒に入り 心も少し 引き締まる
 
幼き手 囲炉裏にかざし 聞く民話 長谷川光正
寒空に こぶしの枝の つんと立ち
 
葉牡丹の 似合う日溜り ありにけり 角野ひろ子
葉牡丹の 揺らぐことなく ふくらみぬ
 
寒行の 若き僧列 わらじ履き

岡田 三枝

悴む手 嬰児はしかと 乳房もち
 
悴みつ 吐いたる言葉 悔いる夜

川口 信子

還暦の 息子を諭す 寒衣

◎投句のお願い
城東ライオンズクラブ俳句同好会では、ライオンズ、及びライオンレディの皆様からの俳句の御出句をお待ちしています。
毎月第1例会までに、俳句同好会までお届け下さい。

湯豆腐や  窓外は静かな  差し向かい 服部 俊三
笹の子の  鳴くや梢の  揺れ動く
 
納経の すみしやすらぎ 湯豆腐に 渋谷 良子
石庭の  海にゆるる陽  笹子鳴く
 
笹鳴りに  振り返る時 城暮るる 山本三代子
湯豆腐の  一間に家族 うちそろひ
   
笹鳴りの  密かなること  我が耳に 橋本 明子
湯豆腐や  一日一日を 恙無く
 
歓声の 渦中を走る 白い息 長谷川光正
ランドセル 背に躍らせて 息白し
 
息白く 静かな口調 老僧侶 角野ひろ子
湯豆腐に 一本の酒 あればよし
 
湯豆腐の 好きな彼の人 卒哭忌

岡田 三枝

秒針や つるべ落としを  刻みゆく
 
鍬握る 手に息白く 畠を掘る

川口 信子

笹鳴きや もっこう薔薇に 育ぐくまれ

と き   平成20年11月 5日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   紅葉散る   小春日和   大根

第273回城東句会報

桐一葉 ひらひらと散り 句友の逝く 服部 俊三
 
忽然と 木の実落つごと 友の逝く 渋谷 良子
 
うまる日の なき空席や 秋深し 山本三代子
 
露けしや 友偲びつつ 句作の歩 金森わか子
 
露けしや やさしさ溢る 遺稿集 橋本 明子
 
朝まだき 桐の葉落ちて 友は逝く 長谷川光正
 
沢も田も 色即是空 秋の虹 角野ひろ子
 
句友の逝く 花芙蓉 今盛りなる 山田 鉦二

と き   平成20年 9月 3日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   露  虫  夜長

第271回城東句会報

嶺白く 雲の流れて 木の芽立つ 服部 俊三
ゆるゆると  翅ひるがえし 蝶止まる
 
誰が打つか 延命の鐘  木の芽吹く 渋谷 良子
斑鳩の 寺々も訪ひ 野に遊ぶ
 
娘を迎へ 行く歩の軽き 木の芽道 山本三代子
木の芽晴  亡き誰彼に 告げたき日
   
下校児の 道草ばかり 蝶の昼 金森わか子
木の芽吹く 夜来の雨を 身にまとひ
 
儘ならぬ 心をすみに 野に遊ぶ 橋本 明子
ひたむきに 命をつなぐ 木の芽かな
 
野遊びや 老いも座にあり 酒一献 長谷川光正
里山の かたき木の芽を 濡らす慈雨
 
山烟り いよよ朴の芽 ふくらみぬ 角野ひろ子
どの木にも 触れて撫でゆく 木の芽風
 
鉈寺や 闇に灯明 梅を聞く

岡田 三枝

土筆摘み 足萎えの姉 杖忘る

 
木の芽晴 口笛も吹き 畑をうつ

川口 信子

俳句てふ 座に誘あり 蝶のひる

と き   平成21年 2月 4日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題 
  節分   寒明け  梅

第276回城東句会報

風さわぐ 梢の先に 梅白く 服部 俊三
寒明けの 海や荒波 岩砕く
 
夫看取る 心のゆらぐ 梅日和 渋谷 良子
鬼の面 付けて遊ぶ児 春立ちぬ
 
一人来て 遅速たのしむ 梅見かな 山本三代子
寒明けて 行きたき処 したきこと
 
老の掌に 握りこぼせし 歳の豆 金森わか子
咲く様を 疑わず来て 梅一輪
 
あらためて 秘めたる決意 豆を撒く 橋本 明子
梅園に 三々五々の 声こぼれ
階に 添ふて紅梅 咲き初めぬ 長谷川光正
豆撒くや 鬼を囃すも 土地言葉
 
ふりむけば 梅梅梅の 中にをり 角野ひろ子
月光に 仄かに香る 梅一樹
 
ゆく雲や もう二ン月か 眉の月

岡田 三枝

梅一輪 咲いたと記す 家計簿に

 
梅便り 一輪添えて 誘い受く

川口 信子

米の数 追儺もなさず 豆を食む

と き   平成21年 1月 7日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   葉牡丹  寒  悴む

第275回城東句会報

と き   平成20年12月 3日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   笹鳴り   湯豆腐  息白し

第274回城東句会報

信濃路は 木の葉舞い散る 秋深し 服部 俊三
御嶽山 落日に浮かぶ 秋深し
風の意の ままに萩ゆれ すすき揺れ 渋谷 良子
深秋の 信濃の旅の 千枚田
穏やかに 撓ひて萩の 色散らし 山本三代子
追われても あかずきており 稲雀
風に揺れ 雨にこぼれし 萩の花 金森わか子
里山の 風も呼びをり 萩の道
秋深し あてなき旅の 無人駅 橋本 明子
緩る緩ると 小径たどれば 萩の寺
庫裡裏の 闇へ溶けゆく 萩の花 長谷川光正
コンバインの 音に里晴れ 稲雀
 
万葉の 風情かもして ゆらぐ萩 角野ひろ子
身一つが ままならぬ日よ 秋深し
 
狭庭にも 色をこぼして 萩の花 山田 鉦二
里の田に 群れ遊びいる 稲雀

と き   平成20年10月 1日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   秋深し  萩  稲雀

第272回城東句会報

通り雨 やみし雫の 白木槿 服部 俊三
かけ庇 大きな南瓜  無人店
 
城めぐり めぐれば景の どこか秋 渋谷 良子
南瓜煮て 貧しき頃の こと偲ぶ
 
初秋や 遊びごころの 過りたる 山本三代子
一日の さだめを燃えて 花木槿
 
秋めきて 旅の誘いに はずむ声 金森わか子
菜園の 南瓜を褒めて 給わりし
 
介護から 一日解かれて 旅の秋 橋本 明子
迷い来し 旅に癒され 露の秋
 
友からの 絵手紙いつか 秋の草 長谷川光正
友の絵の 遺作の南瓜 しみじみと
 
木槿咲く 今日といふ日の 薄き紅 角野ひろ子
天空を 流れる雲も 秋めいて
 

と き   平成20年 7月 2日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   凌霄花  海開き  サングラス

第269回城東句会報

稚さを 残す 乙女の サングラス 服部 俊三
凌霄花 くぐりて 子等の駆け巡る
 
夕焼けの 今とらえたる 凌霄花 澤田 天瑞
軒高く のうぜんの花 咲きのぼる
 
風に咲き 日の斑にゆれて 凌霄花 渋谷 良子
サングラス 取れば親しき 笑顔あり
 
海開き 海に御神酒を 惜しみなく 山本三代子
ベル押して 返事なき家の 凌霄花
 
思うまま 海を映して サングラス 金森わか子
はしゃぐ児の 手をしっかりと 海開き
 
旅先で そっとかけたる サングラス 橋本 明子
自然こそ 生命の基 海開き
  
浜風に 身を縮めゆく 海開き 長谷川光正
銀嶺の 矢のごと滑る サングラス
  
サングラス 太陽族も 遠くなり 角野ひろ子
別の顔 つくる魔法の サングラス
一人居の 長き夜に唄 くちずさむ 服部 俊三
朝露や 裾濡らしたる 畔の道
つながらぬ 夫との会話 虫すだく 渋谷 良子
老い母の 露の祈りの ながかりし
邯鄲や 父母在すごと 寝まりけり 山本三代子
長き夜を 語りつきざる 母と娘に
芋の葉に そっと触れれば 踊る露 金森わか子
拡大鏡 机上に置きて 夜長とす
露の身の 一日一日を あるがまま 橋本 明子
夫寝息 無事にすぎゆく 夜長かな
霧晴れて 遠く岬は 晴れ渡り 長谷川光正
香を聞き 遠き日偲ぶ 夜長かな
 
露の身を 夭折の子に 教えられ 角野ひろ子
芋の露 凝りて一葉に 光りたる

と き   平成20年 8月 6日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   秋  南瓜   木槿

第270回城東句会報

と き   平成21年 5月 13日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題   新緑  夏めく  初蝉

第279回城東句会報

花まつり 天上天下  水つたう 服部 俊三
水かけて 小さな手合はす 花まつり
 
名苑の 少し濁りし 蝌蚪の水 渋谷 良子
花御堂 飾り寺門を 少し開け
 
もたれくる 春眠の肩 ゆるしをり 山本三代子
今日の吾子 輝く稚児に 花祭
   
川底に 蝌蚪かたまりて 水昏るる 金森わか子
花まつり 稚児行列に 寺の湧く
 
澄まし顔 稚児の行列 花まつり 橋本 明子
一人居の 覚めぬ春眠 驟雨にも
 
背伸びして 一杓注ぐ 花御堂 長谷川光正
蝌蚪のひも ゆるる水面に 映る雲
 
水底に 集う蝌蚪あり 日の斑 角野ひろ子
潅がるる 甘茶の綺羅や 小さき釈迦
 
花まつり 亡き妹の 手の温み 川口 信子
蝌蚪見つけ 下校の子等に 家遠し
 
外人と 交わすあいさつ 花の道 岡田 三枝
賜りし 媼の一杓 潅佛会

と き   平成21年 3月 4日 (水)

ところ   ル ブ ラ 王 山

兼 題 
  木の芽  野遊び  蝶

第277回城東句会報